ここ数日の九州地方での大地震のため、被災された多くの方々には心からお見舞い申し上げます。一刻も早い復興を願っております。

 昨夜は月の入りが午前1時半を過ぎる夜ですが、GPVの予報が良かったので一昨日から出撃しようと考えておりました。がしかし、当日のGPVの予報は徐々に微妙なものに変わり終夜晴れる地域がなかなかありませんでした。仕方なく月の入りの1時付近の最も天候の良さそうな山梨方面に向かうことに決め、いつもの富士河口湖町に21時前に到着しました。先客の同好の方が一名いらっしゃいました。
 しかし肝心の天候は厚い雲に覆われ、その後もどんどん南から雲が押し寄せてきています。道中河口湖付近は晴れていたので、これは失敗したなと思い、急遽引き返す事にしました。付近の観測地も考えたのですが、20時半のGPVでは今は良くても1時付近の天候が良くありません。考え悩んだ挙句、思い切って群馬の赤城高原への大移動を決心しました。
 さて夜間の大移動の末、赤城高原に23時半に到着しました。疲労感を感じながら空を見上げると幸い快晴で疲れが吹き飛んでしまいました。
 機材の準備に入り、先日より導入したPoleMasterによる極軸調整も無事終了しました。以前まではPHD-2ソフトによるドリフト法で調整していたのですが、PoleMasterの方が正確性も上ですし、所要時間もはるかに短時間ですみます。これは優れものだと思いました。極軸を追い込むとガイドのDEC軸の補正が格段に少なくなり、ガイドグラフが安定してきます。
 もう一つの課題はMaxim DLによるUltarstarオートガイダーでのガイドです。先日以来、MaximDLによるUltarastarでのガイドの際、キャリブレーションで最初に余分なDEC軸の信号をだしてしまいキャリブレーションに失敗してガイドが出来なかったのです。
 これは天文ハウスTOMITAさんから新しいファームウエアの提供があり、これをアップデートすることで、一昨日街中でテストしてMaximDLでガイドキャリブレーションの成功を確認していたのですが、実際に現地でテストして問題なくガイドが出来ほっとしました。
 UltrastarはLodestarX2よりチップサイズが大きく、ガイド星を見つけやすい上にノイズも少なく、LodestarX2で恒星が写っているのにMaximでその恒星を拾ってくれないなどの点でも有利になるようです。
 問題が解決していざ撮影となったのですが、その後風が出てきて困りました。時折強風となりガイドが全く落ち着いてくれません。車を風上に移動したり、久々にシーツを足で踏んで反対側を手で上に広げてモモンガのように自分で風よけになりました。これは疲れました。3時頃の薄明前になってようやく微風となりました。
 そのため大きく流れてはいないのですが、L画像のほとんどは星像が肥大して星団の映りもボケ気味で没となりました。 
出来は今一ですが画像処理しましたのでアップします。

ヘルクレス座 M13球状星団
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4月19日の栃木市でのL画像で再処理し球状星団の大きさをアピールしてみました。
若干中央付近は自然に飽和する感じに仕上げました。
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機材その他データ
道儀Vixen AXD 鏡筒Mewlon-250CRS レデューサーにて1825mm、F7.3
ガイド starlightXpress Ultrastar Maxim DLでガイド (オフアキ)
カメラ starlightXpress SX-36  -30℃冷却  
    Maxim DLで撮影 
フイルター   
            Astrodon tru-balanceフイルター  L15分7枚内2枚使用
            RGB RとB10分3枚 Gは10分2枚(2×2ビニング)
            総露出3時間5分